2024.06.01 Sat.

スポークについて

手組ホイールにおけるスポークの選択についてしばしばご質問を頂戴するので、違いなどを簡単にまとめてみようと思います。
スポークの種類はおおまかに3種類。プレーンスポークはその名の通り、最も基本的なノーマルスポークです。丸断面で太さが均一なスポークです。つぎにバテッドスポークは、軽量化のため一部を細く加工してあり、部位によって太さが異なるスポークのことです。段付きスポークとも言います。そして3つ目はエアロスポーク。プレーンスポークやバテッドスポークは丸断面だったのに対して、エアロスポークはスポークの一部を扁平加工してあります。扁平部分の幅や厚みに様々なバリエーションがあります。エアロスポークは回転時の空気抵抗が少ないのは確かですが、差は微々たるものです。それよりも軽量性だったり。スポークのねじれを防げることの方がメリットとして大きいです。

物にもよりますが、それぞれの特徴を比較すると
価格:エアロスポーク>バテッドスポーク>プレーンスポーク
重量:プレーンスポーク>バテッドスポーク>エアロスポーク
剛性:プレーンスポーク>バテッドスポーク≧エアロスポーク

当店で主に使用するスポーク
プレーンスポーク:DT CHAMPION、SAPIM LEADER
バテッドスポーク:DT COMPETITION、SAPIM RACE
エアロスポーク:SAPIM CX SPRINT、SAPIM CX-RAY

当店で取り扱うスポークメーカーは主に、DT SWISS、SAPIM、HOSHIの3社です。
まずDT SWISSのCHAMPION、これはプレーンスポークとなります。太さは1.8mm(15番)と2.0mm(14番)の2種類がありますが基本的には2.0mmを使用します。次にDT SWISSのCOMPETITION、こちらはバテッドスポークで両端が2.0mm、中央部が1.8mmとなっています。
SAPIMのプレーンスポークはLEADER、バテッドスポークはRACEとLASERとSTRONGがあります。RACEはDTのCOMPETITIONに近いですが、LASERは中央部が1.5mmとより細くなっています。STRONGは首部分が2.3mmと太くなっているのが特徴で、プレーンより重くなりますが強度が上がります。
SAPIMのエアロスポークはCX、CX SPRINT、CX-RAYがあります。CXは扁平部分の幅が2.8mmあるので通常のハブの丸穴には通りません。エアロスポーク用にスリット加工されたハブでないと組むことができません。CX SPRINTとCX-RAYは扁平部分の幅が2.2mmなのでどのハブでも使えます。CX-RAYはCX SPRINTよりもさらに扁平部分の厚みが薄いので、今挙げたスポークの中では最軽量となります。
CX-RAYより軽量なCX SUPERというのもありますが、両端が1.8mm(15番)なので個人的にはあまり採用することはありません。
HOSHIは一般車やオールド車で使うことが多いです。プレーンだけでなく、バテッドやエアロスポークもあります。

リムブレーキ用のフロントホイールは基本的に左右対称となりますが、リアホイールやディスクブレーキ用のホイールは非対称なのでスポークのテンションも左右で均一になりません。その左右差を少しでも少なくするために組み方を工夫したり左右で異なるスポークを使用したりもします。ここら辺を掘り下げると話はかなり長くなるので端折ります(うまく説明できる自信もありません)。

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